
< 東アフリカティー・マップ > |
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イギリス領東アフリカ諸国は、肥沃な土地が多く、気候条件も良好であるため茶栽培地として有望視されていた。 たまたまインド、セイロンで茶業に従事してきたイギリス人の退職技術者などが、経営技術を活用する新天地として東アフリカに着目した。
彼らは充分な科学調査の後、1903年にケニヤで栽培実験を試み、その成功に基づいて1924年以降本格栽培に移った。
現在ではケニヤ、ウガンダ、タンザニア、マラウィ、モザンピクまで広がり、インド、セイロンに迫る大茶産地になっている。 |
ケニヤ ( KENYA )
< ケニアティー・マップ >
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< 風景 > |
< 茶園 > |
ケニヤ紅茶の歴史
ケニヤの最初の茶の苗木は、1903年にG.W.L.ケインによってインドからケニヤに紹介され、ナイロビの近くのLimuru (リムル) に植えられた。
これらの茶樹のいくつかは、今もMabroukie (マブローキー) 茶園の中に歴史の面影を残しながら、大きな木に成長している。
ケニヤに最初にお茶が植えられた当時は、Limuru (リムル) やKericho (ケリチョ) に2〜3の個人農家が茶園を作っていたが、100年経った現在、ケニヤは世界の主導的な茶生産国のひとつになっている。
茶産地の気候風土
ケニヤの茶産地は、熱帯で、火山の赤い土壌、年間降雨量1,200〜1,400mmで、よく晴れた日が長期間続き、お茶の育成に最適な気候である。
茶園のある地域は1,500〜2,700メートルの間にあるGreat Lift Valleyの東と西の両高地に広がっている。
茶樹の種類
初めは、殆どの茶園で苗木が植えられた。
しかし今日、科学的な新しい研究によって、高生産品種のクローナル種 (ハイブリッド種) が植えられている。
これまでのところ、ケニヤ紅茶研究財団 (TRFK) は、47以上の高品種のクローナルティーを開発している。
ケニヤの茶産地では、土壌の栄養を補充するために、規則的に天然肥料は使用されるが、化学物質の肥料は使用しないので、オーガニック茶としても知られている。
ケニヤ紅茶の品質
高品質のケニヤ紅茶は、上から2枚の若葉と芯芽で作られる。
若い茶葉は一度摘まれた後、7〜14日の期間をおき、年間通して摘まれている。
ケニヤ紅茶は殆どがCrush,Tears & Curl (CTC) 製法でCTC茶が生産されている。
ケニヤは世界でも良品質のCTC紅茶を生産する茶産地となり、そのユニークな芳香と風味で世界中に広まっている。
ケニヤ紅茶の生産と輸出
ケニヤの茶栽培地域は136,708ヘクタール以上あり、年間生産量はおよそ320,000トンで世界中の国に輸出業者を通じて輸出されている。
ウガンダ ( UGANDA )
生産地としては最も小さい地区であるが、茶園は1,200メートル以上の高地にあり、インド紅茶に似た味の良い茶が生産され、イギリス向けのブレンド用に使用される。
タンザニア ( TANZANYA )
第一次大戦前にドイツ殖民によって始められた茶園経営である。ウサンバラ山地とムフィンディーが産地で、雨量が少ないのでケニヤ、ウガンダより収量は少ないが、7〜10月が乾季でアッサム種から作られる茶は、色の濃い良質のものが多い。
マラウィ ( MALAWI )
降雨が11〜3月に集中するため、大量の収穫が12〜3月にかけて行われるので、大量生産出来る工場が少なく労働不足もあって、能力以上の生産で品質低下をきたすことが多い。
ムランジェ、チェロが主要茶産地でクセのないさっぱりした味と明るいすい色の茶が生産され、90%はイギリス向けに輸出される。
モザンビーク( MOZANPIK )
ポルトガル領東アフリカの時代から茶を植えていて、第二次世界大戦直後にアメリカ、ポルトガル、南ア連邦からの買い付けで大増産されるようになった。 産地はザンベジア州で全てヨーロッパ人所有の茶園であり、4〜10月が乾季で良質の紅茶を生産しており、80%がイギリス向けに輸出されている。
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